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 ハサンです。予告からだいぶ空いてしまいましたが、FUJIレポート、初日分です。

 今年のFUJIに参加した人は皆言っていると思いますが、おそらくRADIOHEADのせいでありましょう、とにかく人が多かった…! 例年初日金曜からそんな印象を受けることはあまり無いのですが、今年は朝に場内1(何とか確保)のゲートをくぐってみると、カンカン照りの中、リストバンド交換の列がシャトルバス乗り場付近まで…。心が折れた僕らは、エアコンを効かせた車内で暫しビールを飲んでいたくらいです。まあ、この日の早い時間には、どうしても観たいアクトが無かったこともありますが。

 それでも何とかリストバンド交換を済ませていざ入場、やはり会場内も混雑気味ですが、とりあえず一気にオレンジへ。
 丁度mouse on the keysの演奏中。うーん、この手を好きな人がいるのは解りますし、実際客も多かったんですが、個人的にいわゆる『ポストロック』はどうも信用しておらず、というのも、大抵のバンドはステレオタイプを抜け出せていなくて、フレージングやコード進行、楽曲の展開などに個性も新鮮味も感じられないのです。まあ、好きな人にはそれが良いのかもしれませんが、僕は食傷してしまいますね。で、椅子に腰を落ち着けてのんびりしてました。

 さて、次もそのままオレンジで、楽しみにしていたJah Wobble & Keith Levene - Metal Box In Dub。今年2月に予定されていた単独来日公演は入国を止められ(笑)キャンセルになったため、漸くの感があります。しかし実は、楽しみにしていたとはいえ、もうちょっとグダグダな感じかと失礼ながら思っていましたが、なんのなんの素晴らしいパフォーマンスを披露してくれました。
 まずはとにかくウォブルのベースの重さにノックアウト。彼らの楽曲の根底を支えるそのベースは、8分を基本にしたシンプルでダビーなシーケンスをひたすらストイックに繰り返すというものですが、全く乱れないどころかどんどんグルーヴが増していくほど。いやあ、こういう寝技のようなベースを弾かせたら、彼とビル・ラズウェルは双璧ですね。
 一方レヴィンのギターは、例によってルーズで汚れた音色でルーズで汚れたアドリブを延々垂れ流すというものですが、これが不思議と飽きない。あと、見た目はかなりヘロヘロなんですが(でも絵になる感じ)、意外に元気に弾いてました。
 謎だったのがヴォーカル。手作り感満載の覆面を被り、チープなガウンを着ています。しかも、覆面のサイズが合っていないようで、しょっちゅうマスクを弄っています。で、声が往年のジョン・ライドンそっくり。何じゃこりゃ。と思っていたら、後半満を持してマスクを取ったんですが、顔も結構似てたような気がします。何じゃこりゃ。因みに、最後のウォブルによるメンバー紹介の際には、(よく聞こえなかったけど)ジョンでもライドンでもありませんでした。そらそうか。
 その後2曲ほどアンコールもあり、非常に盛り上がってステージを終えた彼らは、しかし最後にまた謎を残して去って行ったのです。下手に置かれていた鍵盤、出番前のサウンドチェックの時には良い音を鳴らしていたのですが、本番は全く触れられることがありませんでした。何じゃこりゃ。

 それにしても天気が良い。麦酒が進みます。ここで、カフェ・ド・パリに赴き加藤登紀子を観ようとしたのですが、行ってみると既に入口までパンパンに人が詰まっていて、外にもかなりの人が溢れています。早々に諦めて逃げ帰り、やっぱりオレンジでMORITZ VON OSWALD TRIO。
 しかし、直前にアナウンスされたのですが、リーダーのオズワルドが入国直後に緊急入院したらしく、残り二人で演奏する由。最早MORITZ VON OSWALDでもTRIOでもない。まあ仕方無いですね。で、観てたわけですが、基本が打ち込みなのでそれほど違和感は無いです。ただ、三人が二人に減ったからなのかどうかは判りませんが、例えばドラムやパーカッション類など生音を使っているものに関しては、音色とエフェクトなどのギミックがずっと一緒なのが若干気になりました。こういう観点で見ると、やっぱりテクノのライブは難しいなあと思います。実際に演奏しないで打ち込みだけだと、ライブ感に欠け物足りない気がする。かといって実際に演奏するとなると、音源のような細やかな処理をリアルタイムで行うのはかなり難しい。まあ、全く演奏しないことで非人間感を強調したり(クラフトワークのように)、逆に全てを生演奏で再現したり(エレクトロニカ勢に多いですね)、その間にも様々なやり方があるでしょうが、何にせよ自分の音楽に合ったバランスを確立するのが大変ですね。融解建築は元々打ち込みは無く全て生演奏ですが、それだけに甘んじず、何らかの必然性が感じられるライブにしなければならない、と改めて思いました。

 日が落ちて涼しくなってきましたが、相変わらずオレンジに居座り続け、次はHIROMI THE TRIO PROJECT featuring Anthony Jackson & Simon Phillipsです。上原ひろみもアンソニー・ジャクソンも観たことありますが、サイモン・フィリップスは観たこと無かったので、密かに楽しみにしていた次第。
 1曲目、いきなり鷲掴みにされました。見事な楽曲、見事な演奏。これは物凄い時間が過ごせそうだと思ったのですが、おや? 2曲目以降でちょっと肩透かしを食った感じ。何と言いますか、彼女のフレージングやアレンジのセンスって、基本的にちょっとダサいじゃないですか。いや、別に貶しているわけでは全くなく、それは彼女の楽曲の魅力でもあると思うのですが。そしてサイモン・フィリップスのドラムも、タムやシンバルを所狭しと並べた、21世紀とは思えないような要塞セット(ボジオには及ばないにせよ)で、これまたほんのり時代遅れ感が漂うわけです。勿論めっちゃ巧いんですが。で、そんな彼ら(アンソニー・ジャクソンはともかく)が演奏する音楽、馬鹿テク・プログレ・フージョンの時は物凄くマッチングが良いんですが、ちょいちょい真面目にジャズをやろうとしはるんですよ。そうすると、妙にぎごちない感じになり、いまいち心地好さも感動も薄い。まあ本人らがやりたいなら仕方無いですがね…。
 そんなわけで、あくまで個人的にですが、良いなあと思ったり思わなかったりを繰り返し、そこはかとなく不完全燃焼のまま終演。ただ、客は非常に多かったですし、非常に盛り上がってもいました。あと、初っ端の曲が入ったアルバムは(例え他の曲がしょうもないとしても)買おうと思いました。

 結局この日ずっといたオレンジ(まあ例年も似たり寄ったりですが)を漸く離れ、一緒になった友人達とアヴァロンで腹拵えをし、最後をJAMES BLAKEで締め括るべくホワイトへ。去年の単独公演も無茶苦茶行きたかったけど用事で行けず、しかも観に行った友人達が口を揃えて絶賛していたので、待ち焦がれていました。あるいは入場規制がかかるかもしれないと危惧していたので割と早めに行ったんですが、意外なほどゆったり。PAブースの前方数メートルという好位置をキープしていたにも拘わらず、開演直前まで椅子を置いて座ってましたからね。皆そんなにローゼス好きなのかー。
 とはいえ、時間が経つにつれさすがにちょっとずつ人も増えてきた雰囲気の中、いよいよ始まりました。本人の歌とエレピ&アナログシンセ、ドラム、ベース兼ギター兼PCその他の三人という、シンプルな編成。しかも、音源はかなりメカニカルで『打ち込み』って感じでしたが、ライブでは音源の雰囲気を残しつつもグッと生演奏の比重が増していました。まあ、元々の音源でも、かなり隙間の多いアレンジと音作りになっていました(それがクラブ・ミュージック界におけるエポックでもあったと思います)から、この編成はしっくりきますね。
 そして、生演奏ながら再現度が高い! しょっちゅう「あれをこう再現するのか」と驚かされ、しかも無理矢理では決してなく、とても自然です。勉強になるなあ。特にドラムが凄い。あの非人間的なリズムパターンを、ほぼ完璧に再現しています。個人的な衝撃度は、サイモン・フィリップスより上でした。
 しかしまあ、ジェイムズの見た目がまた、気の弱そうなイケメンって感じで、これは女性は母性本能をくすぐられるなと。実際、しばしば黄色い声援が上がってましたし。で、結構日本語でMCをしてたんですが、喋りも気が弱そう。繊細な音楽のイメージとも相俟って、いずれ神経をやられてしまうんじゃないか、って余計なお世話ですね。
 それにしても、独自でありながら且つポップで美しい。ポスト・ダブステップとか騒がれてますが、素直に「良質な音楽」という言葉で充分かもしれません。実際、サンレコのインタビューで読んだんですが、彼はバッハや教会音楽に大きな影響を受けてきたそうです。確かに言われてみると、彼の音楽は、典型的なポピュラーミュージックの構造とちょっと印象が違う気がするんですよね。単純な『歌メロ/コード』ではなく、各声部の動きが見えるというか。ともかく素晴らしい才能であるのは間違い無いと思います。まあ僕に言われるまでもないと思いますが。

 というわけで、初日も終わり、宿に帰って温泉、麦酒。満足。この日のベストアクトはJAMES BLAKEでした。

 では、二日目以降の分は、また後日。
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